投稿日:2017.07.13 |
畳の張り替えを気持ちよく行い、長持ちさせるためのコツ
オオサワ創研の「住まいのコラム」をご覧いただき、ありがとうございます。
本日も、みなさまが知って得する住まいの情報をお届けいたします。
さて今回のテーマは「畳の張り替え」について。
最近またブームが再燃している畳ですが、弊社オオサワ創研でもリフォームや新築のご依頼をいただく際に、畳を取り入れてほしいとおっしゃるお客様の声が増えてきています。それと同時に、畳の扱い方についてご質問をいただくことも多くなっております。
そこで本日のコラムは
「畳の張り替えに適した時期はあるの?」
「畳を長持ちさせるためのメンテナンスのコツ」
「信頼のおける畳屋さんを見分けるポイント」
でお送りしたいと思います。
■ 畳の張り替えに適した時期はあるの?
よくいただく質問です。畳の張り替えに適した時期というのは特にありませんが、お客様のニーズとして盆に向けてや新年に向けて畳の張り替えをするため、少し早めに張り替えのための動きをされた方が良いと考えています。
春は陽気も良く、夏はイ草の香りも良くなり、秋はバタバタする年末に向けて早めに準備ができるので良いと思います。冬は前述のように畳屋さんも忙しくなるので、ご希望の日程に施工できるかどうかが不確かとなってしまう場合があります。
畳を張り替える目安としては、3~5年経過し、擦り切れが目立ってしまった場合に行うと良いでしょう。また、畳の張り替え方法には3種類あるので、ご紹介します。
■ 畳を長持ちさせるためのメンテナンスのコツ
メンテナンスやお手入れを定期的に行うことによって、畳を長持ちさせるすることができます。ゴロンと寝っ転がると気持ちいい畳を長持ちさせるために、以下のメンテナンスやお手入れを実践しましょう。
畳の張り替え方法について
畳の張り替えには「表替え」「裏返し」「新床」の3種類あります。
表替えとは
ござ(畳表)を外し、下地(床)はそのまま利用してござと縁を新しく取り替えます。大体5年くらい経過していることを目安に行うと良いでしょう。
裏返しとは
ござ(畳表)を外し、ござをさかさまにして、下地(床)はそのまま利用して縫い合わせます。縁は新しく取り替えます。大体3年くらい経過していることを目安に行うと良いでしょう。
新床とは
ござ(畳表)と下地(床)、縁を新しいものにします。10年~15年を目安に行いましょう。長くとも衛生上20年経過するまでには行うべきです。
通常自分たちで行えるお手入れ方法について
畳屋さんにお願いするメンテナンスだけではなく、自分たちで日々行えるお手入れも忘れずに行いましょう。
畳部屋の風通しを良くする
晴れた日に畳があるお部屋の風通しを良くしましょう。特に新築家屋の場合はこまめに風を通すと良いと思います。
拭き掃除
拭き掃除は、新しい畳と古い畳では少し異なります。
新しい畳では、濡れたぞうきんで拭いてしまうと畳が黒ずんでしまうので、乾いたぞうきんでからぶきしましょう。古い畳の場合は、住宅用洗剤を薄めた水につけたぞうきんを、できるだけ硬く絞って拭き、あとからからぶきすると良いでしょう。
ホコリをためないようにしましょう
畳の表面にホコリが溜まってしまうと、ダニが発生してしまう原因になります。畳を叩いてほこりを外に出すか、軽く濡らした新聞紙をちぎって畳の上にまいて、ほうきで新聞紙と一緒に掃き集めるのも昔からある方法です。もちろん、掃除機で吸い込んでも良いでしょう。
ジュースをこぼしてしまったり、ペットや赤ちゃんがおしっこしてしまった場合は
畳におしっこをしてしまった場合は、慌ててぞうきんなどで拭かないようにしましょう。
まずベビーパウダーや塩、小麦粉など目の細かい粉を濡れた場所に振りかけます。そして十分に粉が水を吸い上げたらほうきで掃きとり、その後お湯で濡らした雑巾を硬く絞って拭きます。その後からぶきをして風通しをして水分を蒸発させればOKです。ほうきで掃く代わりに掃除機で吸い込んでもOKです。
必ずシミをきれいにする方法はありませんが、軽減するためにできることはあります。大きなしみを作らないためには、応急処置が大切ですので、覚えておきましょう!
またペットがいるおうちなどには、それ用の専用畳があります。ペットを飼っていたり、ペットを飼う予定がある場合は、ペット飼育に対応した畳を選ぶとより良いでしょう。
■ 信頼のおける畳屋さんを見分けるポイント
現在、残念ながら悪質な畳を売りつける悪徳業者が増えています。では、信頼のおける畳屋さんを見分ける方法、ポイントはあるのでしょうか。
一番わかりやすいのは、古くから地元に根付いて営業しているお店に頼むことです。そして「激安」「〇日限り!」「数量限定!」などをむやみやたらに売りにしているお店は避けたほうが良いと思っています。
安いのには何か必ず理由があります。粗悪品を売り込まれたり、結局最後には高額商品を売りつけられたりするかもしれません。もしくは商品が安くても畳替えに必要な作業をオプションとして追加料金を取られ、必要以上に高い買い物となってしまうこともあります。
古くから地元に根付いて営業しているお店では、粗悪品を売ってしまうとすぐ悪評がついて営業が困難となります。そしてアフターフォローがしっかりしていなければ長く商売ができないでしょう。ただ、老舗のお店にありがちなのが、やる気のない態度、そして不愛想な態度や質問しがたい雰囲気を醸し出しているお店も、避けたほうがいいかもしれません。
そしてあまり知られていませんが、畳を作るには練習を積めばだれでも「つくる」ことはできますが、畳政策には国家資格が存在します。その国家資格を持っていれば「技術を持っている職人である」裏付けになります。畳屋さんにお願いするときに取得するために非常に難関である国家資格厚生労働大臣認可の「一級畳製作技能士」を持っているか確認すると良いでしょう。またお店が各都道府県の畳屋さんで作る「協同組合」に加盟しているかどうかも、安心できるかどうかのポイントのひとつです。
そして、悪徳業者でよく聞く特徴としては下記のような動きがないか気をつけましょう。
- 畳の新調を強引に進める
- サンプルを見せない
- こちらの許可なく畳を外したり、部屋の採寸などをする
- リフォームや害虫駆除など、畳替え以外のことを強引に持ち掛けてくる
まとめ
いかがでしょうか。今回は畳の張り替えについてご紹介しました。
畳は日本人のDNAに深く刷り込まれているのか、非常に気持ちの良いものとして世界中で見直され注目されてきています。その素晴らしい文化である畳をできるだけ長く、気持ちの良い状態で保つために、いくつかのコツを覚えておきましょう。
本コラムがみなさまの素晴らしい時間のための、一助になることができれば嬉しいです。