投稿日:2016.11.10 |
24時間換気が寒い!止めてもいいですか?
オオサワ創研の「住まいのコラム」をご覧いただき、ありがとうございます。
本日も、みなさまが知って得する住まいの情報をお届けいたします。
さて今回のテーマは「24時間換気」について。
寒い・・・本当寒いですねえええええ・・・
今年は寒すぎませんか?毎年そんなこと言っている気がするけど今年はちょっと普通じゃない気がする!
ちょっと調べてみると、2016年冬から2017年にかけてラニーニャ現象の影響もあり、東京の平均気温が
- 2016年12月・・・8℃
- 2017年1月・・・5℃
- 2017年2月・・・6℃
ほどとなり、最低気温はなんと-2℃にもなる日があると予想されているようです!
なんなの!ラニーニャ!
夏は猛暑にして、冬は極寒だなんて高低差で耳がキーンとしそうです。
こんなに寒くなってくると暖房をつけないと体調悪くしそうですが、それでも冷たい空気で身体をやられそうになることがあります。その風が入ってくる場所を探すと、大体24時間換気システムから入ってくる冷気だったりするのです。そんな寒いすき間風が入ってくる原因がわかったならば、その原因をなくせばいい!と24時間換気を止めたいと思うのは人間の心情として自然なことだと思います。
そこで本日のコラムは
「止めてもいいの?24時間換気システム」
「なぜ止めてはいけないの?24時間換気システム」
「24時間換気システムの寒気を、少しでも和らげるコツとは?」
でお送りしたいと思います。
■ 止めてもいいの?24時間換気システム
実際私たちにも冬になると、24時間換気は止めていいものかとお客様からご質問を多くいただきます。
そして私たちは毎回お伝えするのです。
「24時間換気システムを止めると大変なことになるので、止めないでください!」
毎回心が折れそうになりながら伝えています。だって、寒いのわかりますもの。自分も何回も止めたくなったことありますもん。でも本当に止めると大変なことになるので、私も同様に我慢しています。
■ なぜ止めてはいけないの?24時間換気システム
では、なぜこの24時間換気システムは止めてはいけないのでしょうか。
24時間換気システムは、平成15年(2003年)7月1日に施行された「シックハウス法」によって義務付けられた、換気を行っている換気機器のことを指します。
そもそも家の建築技術レベルがどんどん上がっている中で、高気密高断熱技術が進みすぎて自然な通気がされることがほとんどと言っていいほどなくなりました。その結果建材などから出るホルムアルデヒドやトルエン、VOCなどの化学物質が外に逃げなくなり、人体に影響を与えることで、身体の不調を訴える人が多くなってきたため、このシックハウス法が施行されたのです。そしてこのシックハウス法施行以降、建物全体の空気を1時間当たり0.5回以上、外気の新鮮な空気と入れ替えることが義務付けられました。
▼シックハウスについての記事はこちら
「シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因が増えている今健康に生きるために必要なこと」
「シックハウス症候群や化学物質過敏症の対処方法を考える」
健康のため、その名の通り24時間換気させ続けたほうがいいのですが、もうひとつ冬場に寒いからと24時間換気システムを止めてしまうと大変なことになってしまうことがあります。
それは「結露がスゴイ!」ということです。
窓や押入れなどが結露してしまう要因のひとつが「換気されていない」、または「換気していない」ために「空気の対流が起きずに、室内で発生した湿気が外に排出されない」ことによるものなのですが、その環境を自ら作ってしまうこととなってしまうのです。
これまで24時間換気システムを止めて結露が発生したというお客様のケースをいくつか見てきましたが、言い過ぎではないくらい水たまりができているかの如くビショビショになるのです。その結果カビが発生していまい、拭き取っても拭き取っても次から次へと結露してしまうこととなってしまうのです。
それらの恐れがあるため、私たちは寒くても24時間換気システムを止めないようにとみなさまにお伝えしているのです。
■ 24時間換気システムの寒気を、少しでも和らげるコツとは?
ここまで読んでいただいた方は「止めちゃいけないことはわかったけれども、寒いものは寒いのでどうにかならないのか!」と思うと思います。
改善方法をいくつかご紹介したいと思います。
吸気口の吸気量を調整する
吸気口を完全に閉めてしまうと、換気がされないので前述のような危険な状態になる可能性があります。ですが寒さにどうしても耐えられない場合、吸気量を調整できる場合もありますので、吸気量を調整してみましょう。
吸気口を変えてみる
吸気口にはいくつか種類があります。
例えばこんなの
とかこんなのもの
の場合、まっすぐ身体に当たってつらいということがあります。
そんな時は
このように吸気口の側面4方向から外気が出ていくタイプに切り替えてみると、直接風が身体に当たらないので少しは寒さが緩和されるかもしれません。
空気が排出される向きを変えてみる
それでも寒くてたまらない!という場合は、下記図のように厚紙などを使用して風の向きを変えてみると寒さが和らぎます。ぜひお試しください!
まとめ
いかがでしょうか。
今年は寒いので、例年以上にこの質問を多くいただきそうですが、今年も止めないでおきましょうとお伝えしていくこととなるでしょう。
なぜなら、1日に人が口から体内に取り入れるものでもっとも多いのが「空気」です。
- 1日の呼吸回数・・・25,920回 (平均呼吸量18回/1分で計算)
- 1日の呼吸量・・・1万2960リットル (換気量500ml/回として)
- 1日の呼吸量を重さで換算・・・約16.8kg
となり、なんと1日の呼吸量は200リットルのドラム缶で65本分ともなるのです!
そしてそのうち「室内空気」が占める割合はなんと「約60%」となりますので、「室内空気」の綺麗さや新鮮さがどれほど重要か理解できるかと思います。ともすれば、24時間換気システムを止めてしまう(換気をしない)ことは、いかに良くないことだというのが分かるでしょう。
換気がされていないと室内に臭いがこもったり、湿度が高くなったり、ハウスダストが溜まります。小さいお子様やペットがいるご家庭では、喘息などの呼吸器に影響を与える可能性が高まります。もちろん室内の暖かさも重要ではありますが、「換気を止める」ことによって考えられる状況を把握しないままただ換気だけを止めてしまうのは、非常に危険なことなのです。
もちろん、お金をかければ寒くない24時間換気システムに変更することができるのですが、前述した方法を試したり、厚着をして過ごしたり、暖房をかけていきながら、今年の厳冬を一緒に乗り切っていきましょう!