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ヒートショックによる事故を未然に防ぐ対策とは?

ヒートショックになりそうな寒いお風呂

オオサワ創研の「住まいのコラム」をご覧いただき、ありがとうございます。
本日も、みなさまが知って得する住まいの情報をお届けいたします。

さて今回のテーマは「ヒートショック」について。

 

 

いきなり寒波が来ましたね!暖冬と言われていたのに、いきなり大吹雪なんて!今年は寒くならないだろうと安心していた1か月前の自分に、寒くなるから極暖ヒートテックをたくさん買ったほうがいいよと教えてあげたいです。

こんなに寒くなると怖いのが、少し前から聞くようになったヒートテック「ヒートショック」。

そんなことを思っていたら、ちょうど消費者庁も先日2016年1月20日に注意を呼びかけました。この消費者庁の最新の発表によると、2014年に家庭で入浴中に溺死した人は5,000人弱にものぼり、このうち9割が高齢者。そしてまさに今のような冬場の12月~2月に事故が多発しているそうです。さらに怖いことに、10年前の2004年と比較して約1.7倍にも増えており、これ以上事故を増やさないために家族全員の意識が必要です。

周りの大事な人がヒートショックを起こすことなく、健康に冬を乗り越えるためにもう一度ヒートショックについて学んでみましょう。

 

本日のコラムは

「いまさら聞けない!ヒートショックとは?」

「ヒートショックの影響を受けやすい人はどういう人?」

「ヒートショックによる事故を未然に防ぐ対策とは?」

をお送りしたいと思います。

 

 

いまさら聞けない!ヒートショックとは?

タイル張りの昔ながらのお風呂で、寒くてブルブル震えながら服を脱ぎ、つま先歩きでお湯の溜まった浴槽に急いで入るという方も少なくないのではないかと思います。

今のような冬の寒い時期に、暖房で暖かいリビングなどと暖房の無い脱衣所や浴室との温度差が10℃以上になっていることはよくあると思います。暖かい部屋から寒い脱衣所への移動、そして再び熱い湯船内への移動という急激な温度変化が短期間に起こり、血圧の乱高下による身体への大きな負担が原因となり、失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞を起こしてしまうことがあります。この急激な血圧の変化は、冬の入浴中に起こる突然死の大きな要因と知られており、中でも入浴時に急激な血圧低下を起こし失神しおぼれて死亡してしまうケースは、ヒートショックの典型的な例です。また、お風呂だけではなく古い洋式トイレを使用して、暖房機能がない冷たい便座に座った瞬間にヒートショックが起こってしまうこともあります。

最新の厚生労働省研究班の調査によると、2014年にはなんと年間約1万9,000人もの人々が、入浴中に事故死したとみられているとのこと。ちなみにこの数は、2014年の年間の交通事故による死亡者数である4,113人を大きく上回っているのです!

ちょっと驚きでした・・・

 

ヒートショックの影響を受けやすい人はどういう人?

ヒートショックの危険性が高い人とされているのは、下記のような方です。

  • 65歳以上の高齢者(特に70歳以上)
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 糖質異常
  • 動脈硬化
  • 肥満気味
  • 睡眠時無呼吸症候群など、呼吸器官に問題がある
  • 不整脈がある
  • 脱衣所や浴室に暖房器具がない
  • 一番風呂が好き
  • 熱い風呂を好む
  • 肩までどっぷり長くつかる
  • お酒を飲んで入浴する
  • トイレが寒い、もしくは便座に暖房機能がついていない

特に65歳以上の高年齢層の方々は、過去に家を建て、リフォームしないまま我慢している方が多いため、その悪い相乗効果から発生リスクがより跳ね上がるのです。

今このコラムを読んでいる皆さまのご家族や身近な人で、思い当たる方がいらっしゃるかもしれません。

 

ヒートショックによる事故を未然に防ぐ対策とは?

ヒートショック

ヒートショックへの対策として重要なのは、部屋ごとの温度差をできる限り小さくすることです。

ヒートショックを引き起こさないために気をつけたいことを、まとめてみました。

 

お風呂での対策
  • 入浴前に暖かいお湯を天井付近から壁と床に向けてかける
  • 入浴前に浴槽のふたを開けておき、部屋全体を暖める
  • 高い位置に設置したシャワーから浴槽へお湯をはる
  • 食後1時間以上空けてから入浴する
  • 夕食前・日没前に入浴する
  • 飲食後・食事直後の入浴は避ける
  • 入浴前後にコップ1杯ずつ水を飲む
  • 脱衣室を温める
  • お湯の温度は41℃以下にし、急激な温度変化をおこさないように
  • 湯に漬かる時間は10分までを目安に
  • 手や足など末端部分から徐々にかけ湯をして浴槽に入る
  • 半身浴にして、全身浴ほどの負担を身体にかけないように
  • 急に立ち上がらない
  • いきなり湯船に入らずまず全身を洗う
  • シャワーは座って浴びる
  • 万が一のことを考え、入浴する前に同居者にひと声かける

 

トイレでの対策
  • 暖房器具を置く
  • 心臓への負担を軽減するため、あまり力みすぎないように
  • できれば寝室はトイレの近くに

 

根本的な解決方法

上記にあげた方法はあくまで簡易的な予防であり、根本的な解決方法にはなっていません。
そもそも部屋間での急激な温度変化をおこさないようにすることが重要です。

家の中の温度差を解消するためには、やはり住宅全体を高気密・高断熱にし、全館暖房させてあげることが理想でしょう。リビングや寝室、廊下やお風呂場からトイレまで、すべての空間の温度差が約2~3℃以内におさまっていることが望ましいでしょう。また、輻射熱方式による床暖房システムのように、家中が足元から暖かい状態は、身体に負担をかけない環境です。

●高気密・高断熱な住まいについての記事はこちらをどうぞ:

 高気密高断熱住宅のメリットデメリットが気になるあなたへ

 

●断熱材についての記事はこちらをどうぞ:

 断熱材の種類とそれらの比較。そして断熱住宅の未来について

 

住まい全体をリフォームすることは簡単ではないため、脱衣室や浴室、トイレのみリフォームするだけでも身体への負担は格段に軽減されるでしょう。日本では浴室に暖房がないのが一般的ですが、他国の多くでは浴室に温風機や床暖房などの暖房設備があります。ヒートショックで大事な人に万が一のことが起こってしまうことを考えれば、脱衣室や浴室、そしてトイレに暖房設備を設置して暖めることも選択肢のひとつでしょう。

お風呂場には浴室暖房乾燥機を導入したり、思い切ってユニットバス(システムバス)を導入すれば、寒くならないだけではなく、湯船が冷めにくかったり、滑って転倒してしまう事故を防ぐことも期待できます。トイレには電気温風器を導入したり、便座があったかくなるトイレに変更すると安心でしょう。

 

まとめ

ご相談いただく中で多いのが、いざ必要になってからご相談いただくケース。もちろん、その時になってみないとその必要性に気づかないものではありますが、いざ寒くなってから簡易的に対応したのでは使用する人の習慣に根付かず、せっかく用意したのに使わないという状態となってしまうので、可能な限り早めに準備しておくことが望ましいでしょう。

私の家はまだタイル張りのお風呂だという方は、思い切って一度リフォームを検討してみるのもいいのかもしれません。

また、お風呂にある窓を変えると効果的な断熱性能を発揮する場合もあります。複層ガラスや、樹脂枠仕様のサッシ、二重サッシの設置は、低予算かつ短時間で工事が完了するのでこれらもおススメです。ちなみに、浴室窓から空き巣に入られることも多いため、浴室窓に「格子」や「目隠しのルーバー」を取り付けることも良いでしょう。

●窓のリフォームについての記事はこちらをどうぞ:

 窓リフォームで断熱・耐結露・防音性能を一気にUP!しかも補助金でお得に

 

家の中で癒されるべき空間で、つらい思いをしなければいけないのは大きなストレスを抱えてしまうはず。疲れた身体を最大限いたわってあげるため、そしてあの時こうしておけばよかったと思うことがないよう、早め早めの準備をしておきましょう。