投稿日:2017.03.24 |
憧れのウッドデッキ設置後に後悔したくない人は気をつけるべきポイント
オオサワ創研の「住まいのコラム」をご覧いただき、ありがとうございます。
本日も、みなさまが知って得する住まいの情報をお届けいたします。
さて今回のテーマは「ウッドデッキ」について。
憧れのウッドデッキ。
ウッドデッキはお庭やベランダに設置するだけで、華やかで自然豊かな優しい雰囲気のおうちにデコレートすることができます。そのためにウッドデッキを設置したいというお客様は年々増えてきています。またウッドデッキはDIYできるかんたんなパックまであるためひと昔と比べて随分と身近なものとなりました。
ですが身近になったがゆえに、憧れだったはずのウッドデッキを設置したにもかかわらず「失敗だった!」と嘆く方を多く見かけます。
そこで本日のコラムは
「ウッドデッキで失敗しないために気をつけたいポイントとは?」
・その価格の材木で、期待を本当に叶えるのかをしっかりと考える
・設置前の資金計画をしっかりと組む
・ウッドデッキの利用目的をはっきりさせる
・DIYで大丈夫か?その業者で本当に大丈夫なのか?しっかりと考える
・メンテナンスをどうするのか、しっかりと考えておく
・人工木のウッドデッキによくある「メンテナンスフリー」に過剰な期待をしすぎない
・屋根をつけるかどうか検討する
・シロアリ対策をしっかりと
でお送りしたいと思います。
■ ウッドデッキで失敗しないために気をつけたいポイントとは?
ウッドデッキはきれいだから、朽ちて腐っていないからステキなもの。当たり前ですがウッドデッキを設置しているおうちで「もうこのウッドデッキは長い間使われていないんだろうな」というウッドデッキを、多く見かけるものです。
なぜこのようなことになるんでしょうか。みなさま高いお金を払って憧れのウッドデッキを手に入れたはずなのに。失敗ないために注意すべきポイントをこれまでの経験を踏まえて考えてみました。
その価格の材木で、期待を本当に叶えるのかをしっかりと考える
ウッドデッキを設置するのに、一番大切なのは素材選びが一番大切なのです。
分かっていながらも、ウッドデッキには思ったよりも費用がかかると思う方が多く、予算に合わないということが多々あります。でも憧れだからと安い価格の材木を選んだ結果、すぐ腐ってしまったり朽ちてしまうこともあります。
もちろんむやみに高ければ良いというわけではありませんが、「こうなりたくない」という優先順位を立てたうえで、その姿に見合う価格の材木を選べばいいと思います。
むやみに安いものは、もしくは安い業者は理由があります。価格に負けるのではなく、何年か後の姿を想像してその姿に見合う適正価格帯の材木、業者を選びましょう。
設置前の資金計画をしっかりと組む
この前、何年か前に区画整理地域に行く機会がありました。
区画整理地区だったので、当たり前ですが同じ時期に建てられた戸建てがたくさん建っていました。比較的広い敷地に建てられた家が多かったのでそれぞれのお庭も広く、ウッドデッキを設置しているおうちも多かったのですが、何年も経っているのにきれいなウッドデッキのままのおうち、同時期に設置されたとは到底思えないほど劣化してしまっているウッドデッキなどいろいろでした。
ウッドデッキは屋外で雨や風にさらされるので、日ごろからこまめなメンテナンスが必要なのですが、多くの日本人は自分の手でメンテナンスすることを苦手としています。買う前や買ってからすぐは憧れと高揚感があるため、メンテナンスも楽しいのですが、生活に馴染みウッドデッキの生活に慣れてくるとメンテナンスからは距離を置くようになります。
またおうちを購入したときにウッドデッキも・・・と思っていても、住まい自体に予算を費やしてしまい、ウッドデッキには予算が割けないということもあるでしょう。ウッドデッキをいざ設置しようと思った時、思っていたよりもコストがかかることを知り、コストダウンのために材料を安価なものにしてしまうこともあるでしょう。
安い材料は劣化が起きやすく、短い期間で見た目も悪くなりがちです。
それをきちんと理解した上でウッドデッキを諦めるか、早く劣化したとしても安価でウッドデッキを手に入れるのか、それともウッドデッキを踏まえた資金計画をきちんと組むのかを検討していきましょう。
ウッドデッキの利用目的をはっきりさせる
これも結構多いケースです。
ウッドデッキがあるおうちへの憧れが先走り「ウッドデッキがあればこんなことができる!こんなことができる!」と利用人数や利用目的をはっきりさせないままウッドデッキを設置してしまうと、いざ設置したあとに「こんなはずじゃなかった」と思う可能性があります。
例えばウッドデッキでバーベキューがしたいと設置したものの、いざやろうとすると油はねや汚れ、傷が怖くて結局ウッドデッキ外でバーベキューをしてしまう。またペットやお子さまの遊び場にしたいと思ったけど、思ったより夏の暑さや照り返し、そして安全性が不安でウッドデッキを使わせなかったなどのケースはよく聞きます。もしくは小さいスペースでもウッドデッキを子どもたちやペットに…と思っても実際彼ら彼女らはもっと広い場所で遊びたがるものです。
また利用人数の想像がきちんとできなかったため、ウッドデッキの設置面積が大きすぎたり小さすぎたりすることもあるでしょう。
資金計画もそうですが、ちきんと何をどのように使うためにいくらくらい用意することができるのかを考えておくことは非常に重要です。
DIYで大丈夫か?その業者で本当に大丈夫なのか?しっかりと考える
冒頭でも述べたように、ウッドデッキは今DIYする方が徐々に増えてきています。簡単に作れるキットが発売されてから特にその数は増えたように思います。
しっかりと調べて、しっかりと作れる場合はもちろんDIYをお勧めします。大きいものなので多少の失敗や精度のズレも気になりにくいため、DIYの入りとしてもとても良いでしょう。ですがウッドデッキは5年後のことを考えておかなければいけません。
ウッドデッキを自分で設置した方で「結構大変・・・」と言われる方で多いのが、湿気問題と雑草問題です。どちらも設置する前に薄いコンクリートを敷いたりとか、雑草対策をしておけばそこそこ防げる問題なのですが、土台やウッドデッキ本体に気がとられてしまい、それらのことまで気が回らないことも多いのです。これらの作業は設置した後からでは難しいので、設置前にきちんと処理しておきましょう。
また短い期間でも楽しめたらいいし、朽ちたら新しいのを作ればいいと、最初から割り切って安いコストで作る方もいますが、問題なのは設置し直した前のウッドデッキの材料。撤去にはなかなかの労力が必要ですし、その材料を廃棄するのもなかなか大変です。そこまで理解したうえで、どのレベルのウッドデッキをDIYするか決めましょう。
また自分では自信がないと業者に頼んだ場合にも、その技量には差があります。施工に自信がある場合は10年保証などをつけていることもあります。ウッドデッキは腐朽やシロアリの被害を受けやすいのですが、それに長期保証をつけることができる業者には、それ相応の理由があります。メンテナンスや保証内容を含め、ウッドデッキに詳しい業者をしっかりと選びましょう。
いずれにしてもどれくらいの期間、どう使いたいかをはっきりさせたうえで、本当にそのコストと労力に見合うのかを考えておきましょう。
メンテナンスをどうするのか、しっかりと考えておく
ご近所やお友達に自慢したくなってしまう、ウッドデッキを長持ちさせる一番大切なことは「メンテナンス」や「お手入れ」。
日ごろから砂ぼこりなどをホウキで掃いたり、床板のすき間にたまったゴミなどを取ったり、雑巾がけをしたりデッキブラシなどで掃除を行ったりしましょう。また定期的にブラシをかけてから塗り替えをし、1日ほど乾かし、乾いたら隅々までまんべんなくきれいにペンキを塗っていく…理想なら3度塗りはしておきたいところです。この1年に1度の定期メンテナンス費用を考えているのか、そしてそのメンテナンスを毎年継続的に自分でできるのか、自分で出来ない場合は業者に頼む場合の費用は…など考えておかなければいけません。
ここをおろそかにしてしまうと、短命な、そして悲しい姿になったウッドデッキを見ることになってしまうかもしれません。
かわいいものには、愛情をかけてあげなければいけません。設置の前にお手入れをどうするのかもしっかりと検討しましょう。
人工木のウッドデッキによくある「メンテナンスフリー」に過剰な期待をしすぎない
メンテナンスが苦手な日本人に嬉しいのが「メンテナンスフリー」という言葉。最近では天然木のウッドデッキに比べて、樹脂製の人工木のウッドデッキがシェアを伸ばし続けています。ひと昔前は人工木のウッドデッキは非常に高価なものでしたが、今ではそれほど大きな違いはなくなりました。
そしてその人工木は「メンテナンスフリー」と謳っている商品を多く見ますが、人工木の「メンテナンスフリー」は私の知っている限り「全くメンテナンスがいらない」ものはないと思います。この場合の「メンテナンスフリー」は多くの場合「腐ったりシロアリが寄り付くことが少ないので、薬剤などの塗布が必要ないですよ」という意味がほとんどであり、すべてのウッドデッキにまつわる問題を人工木にしたからと言ってお手入れなしで過ごせるわけではないのです。
人工木のウッドデッキも「カビ」「汚れ」「キズ」を防げるわけではありませんので、日ごろからのお手入れは忘れないでくださいね。あとは風合いがどちらが好きか、そしてメンテナンスの手間をどう思うかによってどちらの材木を使うか決めましょう。
屋根をつけるかどうか検討する
前述したように夏は非常に暑くなります。日差しが暑すぎてウッドデッキを使わないというケースも多いので、日よけとなる屋根をつけることを検討すると良いでしょう。屋根には透明な素材で紫外線を防いでくれるものや、ロールで簡易的に日差しをコントロールすることも出来るでしょう。
併せて考えておきたいのが、床材木の熱吸収率。床木材が夏には熱くて裸足で立っていられなくなったり、冬には冷たすぎるなどせっかくのウッドデッキの感触を直に感じられなくなってしまったら非常に残念です。床材木が熱くなったり冷たくなったりしづらい素材もありますので、用途とどれくらい過ごすかによって選びましょう。
シロアリ対策をしっかりと
天然木を材料とした場合、シロアリ対策は必須です。
防腐処理をしたり、ハードウッドを選ぶことでシロアリへの効果はありますが、シロアリは太陽の光が当たらず湿気が多い場所が好きなので、ウッドデッキの基礎の部分などに棲みつき、床板に上がり食い荒らすのです。そのためもあり、定期的なメンテナンスが必要という訳ですね。
そしてシロアリに強いとされているのが、樹脂製人工木ウッドデッキです。シロアリの被害が多い地域では特に、この樹脂製品を採用することをおススメします。
まとめ
いかがでしょうか。
今回はこれから春にかけて膨らむ、ウッドデッキに対する気持ちを削いでしまうような内容になってしまったかもしれません。でもこのようなことを知らずに高価なお金を払って設置したにもかかわらず、何年か後に悲しい思いをする方がひとりでも少なくなれば、と思いこのようなお話をしました。
ウッドデッキで過ごす家族の時間は素晴らしいもの。その時間をより良いものにしていただくために、素晴らしいウッドデッキを何年もきれいな状態で使えるよう、ポイントを抑えてウッドデッキを選びましょう。