投稿日:2017.10.19 |
薪ストーブのメリット・デメリット
オオサワ創研の「住まいのコラム」をご覧いただき、ありがとうございます。
本日も、みなさまが知って得する住まいの情報をお届けいたします。
さて今回のテーマは「薪ストーブ」について。
急に寒くなってきましたね。秋を通り越して冬になろうとしています。
こう寒いとあたたかなものが欲しくなってきます。そしてわたしたちオオサワ創研には、毎年この時期になるとチラホラと「薪ストーブを設置したい」というご相談をいただくようになります。
薪ストーブって、カッコいいですよね!なんか家の中にあるだけで、気持ちが朗らかになるイメージです。でも、薪を割ったり火を使ったりと大変な部分も多い印象です。
冷静になって、嬉しいポイントと懸念ポイントをしっかりと踏まえてから設置したいものですね。
そこで本日のコラムは
「薪ストーブのメリット」
「薪ストーブのデメリット」
「薪ストーブを設置するときに気をつけたいこと」
でお送りしたいと思います。
■ 薪ストーブのメリット
まずは薪ストーブのメリットから考えてみましょう。
- インテリアとしてとにかくかっこいい!
このために薪ストーブを導入したいという人は多いのではないでしょうか。人に自慢したくなるほど、部屋の中がかっこよくなります。部屋がなんだかとても裕福な雰囲気に一変します。 - とても暖かい
薪ストーブの特徴は、エアコンや石油ストーブなどとは違い、ストーブが燃える熱とは別に遠赤外線の輻射熱で身体の芯から温めてくれることです。じんわりと体の芯から温まるので、その感覚は真冬に温泉につかったときの感覚に近いのです。 - 気持ちが安らぐ
「1/f揺らぎ」という言葉を聞いたことありますよね。薪ストーブの炎の揺らぎは、その「1/f揺らぎ」を出してくれるので、気持ちが豊かになります。気が付くと「長時間炎を眺めていた自分に気づいた」という薪ストーブユーザーの方の声を何回か聞いたことがあるほどです。火は人間のDNAに落ち着くための何かをもたらしてくれるのでしょうか。 - 料理もできる
オンザストーブで湯を沸かしたり、料理をすることができます。もちろん普通のガスや電気で作るよりコツがいりますが、その雰囲気も手伝って、とてもおいしくなるのです。薪ストーブで作るシチューなんて格別じゃないですか? - 薪が無料で手に入るのであれば、暖房費が格段に安くなる
薪が何かのツテで手に入るのであれば、その暖房費が非常に安くなる可能性があります。部屋が暖かくなるまでの繋ぎとしてエアコンをつけたとしても、暖かくなればエアコンを消せばいいので、暖房費が安くなるというメリットがあるのです。 - 洗濯ものがすぐ乾く
これは冬に洗濯ものが乾かなくて困っている方に嬉しい情報ですが、洗濯物がすぐカラカラに乾きます。室内の近くに干してあると気持ちよく乾くので、洗濯物にまつわるストレスがかなり軽減されるでしょう。 - 人が集まる
冬、人は暖かい場所に集まるもので。薪ストーブの近くに家族が自然と集まるという効果があるようです。そして自慢したい気持ち半分、友達を招く機会も増えたとおっしゃる方も多くいらっしゃいました。
■ 薪ストーブのデメリット
次に薪ストーブのデメリットを考えてみましょう。
- とにかく労力と時間がつきものに
当たり前ですがエアコンのように、スイッチを付けたらすぐ暖かくなるものではありません。そして一番の問題は薪を用意する作業。薪割りをしたり、重いものを運んだりするので、なかなかの力仕事です。そういうことが好きで、趣味のようにずっと楽しめる人ならいいのですが、この「薪ストーブのあたりまえ」に直面して使わなくなる人が少なくないのです。 - 初期投資になかなかお金がかかる
薪ストーブをネットやカタログで探すときに、やっぱり高いなあと思う人も多いと思います。ですがカタログなどに載っている価格は本体だけの場合が多く、実際は煙突と設置費も必要になるのです。そしてそれらも非常に高く、本体代金と同じくらいか、もしくは本体代より高くなることも少なくありません。そのため、60~120万円くらいを考えておいた方がよいでしょう。 - 薪を乾燥させるスペースが必要
薪は平均1シーズン1トンくらい必要です。気候や住んでいる場所によっても様々ですが、非常に多くの薪を必要とします。そして薪ストーブは木が乾燥しきっていないとよく燃えません。そのためその薪を1~2年間は乾燥させないといけません。そのためのスペースをおうちに用意しなければいけないのです。 - 煙突掃除などのメンテナンスが必要
煙突掃除をシーズン終了時にメンテナンスしておくべきです。そうでなければ煙突内で火事が起こってしまう可能性があります。このメンテナンスを自分たちでするのか、もしくはプロに頼んでお金を払うか。考えなければいけません。 - 薪を手に入れることが大変(もしくはお金がかかる)
薪を無料で手に入れることができれば、とメリットの部分でお伝えしました。この薪を無料で手に入れることができるのはなかなか難しいことです。もし無料もしくは格安で手に入らない場合は、木材や薪を買ってくる必要があります。木材を購入して自分で薪割りするのは大変だと、薪を買うとなかなかお高くなります。その場合は暖房費が月1~3万円くらいかかる場合があるので、コスパが良いとはとても言えない状況になってしまうのです。 - 暖まるまでに時間がかかる
薪ストーブをつけて部屋が暖かくなるには、大体2時間くらいかかるとみている人が多いようです。それまでエアコンをつけて寒さをしのぐ人が多いので、暖房代が完全になくなるという人はなかなかありません。また、朝忙しい人などは薪ストーブをつけてから温まるまでに外出することもあるでしょう。家族の生活パターンをしっかりと考えて導入するべきでしょう。 - 周りの家のことを考えて導入しないと、迷惑がかかる
田舎のほうに家があり、隣のおうちまで距離がある場合であれば問題がありませんが、隣家が近くであれば迷惑がかからないように薪ストーブや煙突を設置しなければ、周りの方々に大変な迷惑をかけてしまう可能性があります。薪ストーブ導入の時に、薪ストーブ屋さんなどプロにしっかりと確認しましょう。 - 何かとコストがかかる
薪ストーブは何かとコストがかかります。薪を割るためのチェーンソーなども、薪を数多く割るので結果として安くて質の悪いものであれば大変になります。ストーブだけでなく、他のアイテムも変にケチることなくキチンとしたものをコストパフォーマンスを考えて購入しましょう。 - 耐久年数がある
薪ストーブを購入する方に意外と多いのが、半永久的に使えると思っている方が少なくないということです。道具で寿命がないものはありませんので、経年劣化などによるメンテナンス、買い替えの必要があるということを忘れないようにしましょう。
■ 薪ストーブを設置するときに気をつけたいこと
メリットとデメリットを考えて「自分は大丈夫そう。購入に踏み出そう!」となればどうやって薪ストーブを導入するか、です。やはり安く買いたいのは当たり前だと思いますが、私が今まで様々な方から意見を聞いた中で考えると、できるだけ近くの薪ストーブ専門店に頼むことが最善だと考えています。
薪ストーブは安いものではありません。また、長く使うものです。そのためにメンテナンスはつきものです。定期的な煙突掃除はもちろん、部品の交換などは必ずメンテナンスが必要となります。その際に遠いと何かあったときに頼むことが難しくなりますし、近隣であったとしても「メンテナンスは自分で出来ますよ」と売りっぱなしのお店は絶対に避けたいものです。
また薪ストーブは煙突の這わせ方にコツが必要です。それらのノウハウがない大工さんや業者に頼むと、どのような事故や故障があるかわかりません。そして格安の薪ストーブを購入して設置だけお願いするのを、いやがるプロも多いのも事実です。
購入するとき、設置するときに何度も細かな「心配事」を解消させるために、わからないことや不安なことを解消してから購入するようにしましょう。
信頼できる薪ストーブ屋さんが見つかれば、もう薪ストーブ選びはほとんど成功したようなものです。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は薪ストーブについてご紹介しました。
薪ストーブの購入を考えている方は、薪ストーブの良いイメージを持っている方がほとんどです。ですが大変な面も併せて知っておく必要もあります。
メリットデメリットの箇所では、デメリットについて多くお伝えしました。ですがこの大変な作業を乗り越えたり楽しめる方こそ、薪ストーブを手に入れるべき方だと思います。
大変なことがあることは現実としてあります。ですがそれを乗り越えるほどのすばらしさが薪ストーブにはあることも事実です。これを読んでくださったあなたは、このメリット・デメリットを読んでどう思われたでしょうか…。